ひとつ前の悲しい気持ち・辛い気持ち、どのように切り替える?では、我が家の要介護者に対する管理人の態度が変わる切っ掛けとなった出来事についてお伝えしました。最終的に3つの原因が考えられるとの結論に至った管理人ですが、まずは「目の前にいる家族が変わってしまった事実を受け入れられない」という点について、管理人なりに考えたことをお伝えしたいと思います。
今になって考えるとこれが一番大きな比重を占めていたのではないかと思うのですが、管理人自身が家族が色々な事が出来なくなっていき、変わっていく姿を受け入れられなかったのだろうと思います。受け入れられないというのは、認めたくないということ。つまり管理人自身の心の問題です。大好きだからこその感情かなと思います。
暗算ができなくなっていることに気が付いた時、運転が危なっかしくなっていることに気が付いた時、家電の使い方に手間取っていることに気が付いた時、とにかく悲しかったのを覚えています。食事が喉を通らなくなり、よく抱きついて泣いていました。そしてその度に言われたのは、「大切な家族を忘れるわけがない」という言葉。こんなことを毎日のように繰り返していたのですから、我が家の要介護者の精神的負担は相当に大きかったことでしょう。そんなこんなで家族の変化を少しずつ感じ取りながら感情的になる理由を探し続けていた管理人ですが、ある時ふと思ったのです。
‘変わって欲しくないという気持ちはあって当然だ。でも、現実にはもう既に変わってしまっていて、これから先もっと状態が悪くなる。過去の家族が戻ってくることはないのに、目の前にいる今の状態の家族を無視して、勝手に過去と比べて難癖をつけている状態ではないか。それは完全に管理人自身の気持ちの問題で、その問題にきちんと向き合わずに家族に八つ当たりして悲しい思いをさせている。なんてひどい人間なのだ・・・’と。
介護をしていると、‘ネガティブな感情を抱くのは仕方がない’や、‘家族も辛いし後悔しているんだ’などの理由でもって、要介護者に対する否定的な対応を許容する言葉を見聞きすることがあります。仏のような心の持ち主はそうそういないだろうと思いますし、100%感情をコントロールできる人も滅多にいないだろうと思います。当然管理人も例外ではないのですが、大切なのはその先だと思うのです。
悲しい気持ち・辛い気持ち、どのように切り替える?でも書きましたが、要介護者だけでなく介護する家族をも辛い状況に追い込む、それが介護だと思います。判断が鈍くなると共に、感情までも支配されてしまう。要介護者と介護者の双方が幸せでいることを前提とした場合、介護者が追い込まれて大切な家族に辛く当たってしまう状況は、幸せとは真逆のとても悲しい状態です。
では管理人はどのような対応をしてきたのか。管理人の場合、感情の波を一定に保つよう自分自身を俯瞰してみるように意識しています。具体的には、自身の取った言動を第三者が家族にした場合に許せるか、常に反省会を行っていような感じです。本来であればあまり良い方法では無いようにも思うのですが、自宅で介護することを決めた以上は当然それなりの責任が伴うわけです。要介護者である家族の精神の安定を図りつつ、介護業務に臨んでおられる方と同じ対応をする。当然そこに家族としての接し方が入ってくるわけですが、それでも管理人の対応により家族の精神が不安定になったり、管理人自身が言動に後悔するようなことが続いたりするのであれば、自宅で介護できる限界を超えている、つまり施設入所を検討する段階にある、と考えるようにしています。
度々になりますが、それは家族と自分自身、双方の幸せを諦めないためのものです。それは出来ないけれど一緒にいたいという管理人の気持ちから、または要介護者である家族から「自宅にいたい」と言われたから限界を超えて自宅で介護し続けるというのは、家族に対する管理人の依存なのかもしれないと考えるようにもしています。
依存というと聞こえが悪いかもしれませんが、どのような場でも私達は少なからず相互に依存しあって生活を送っています。健全な依存関係のことを相互依存という言い方をしますが、「お互いを尊重し合いながら自分自身を大切にする関係」であれば全く問題がないのです。管理人にとっても相互依存の関係に近づけることは簡単ではありませんでしたが、常に意識し続けることで少しずつ共依存のような歪(いびつ)な関係から抜け出してきました。
まずは自分自身の悲しい気持ちと向き合い、自分自身の問題と要介護者である家族の問題を切り離すこと、そして同じことが繰り返されない様にそれぞれの問題点について具体的に改善策を考えて実行してみること、このことを大切に現在も介護を続けています。
悲しい気持ち・辛い気持ち、どのように切り替える?でもお伝えしましたが、あくまでもこれは管理人なりに導き出したものです。異なる方法でご家族と向き合っている方も大勢いらっしゃることでしょう。向き合い方に100%の正解はないと思いますが、お会いしたことがなくても家族を介護している仲間として、何かしらの切っ掛けを提供できれば嬉しく思います。
